森ビル 六本木ヒルズ グリーンマスダンパーで自生する屋上緑地で20年続く田植え「人々の絆を深め、街のコミュニティを形成する場に」

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ここは東京・六本木のランドマーク、六本木ヒルズ(森ビル)。

この六本木ヒルズの足元にある、けやき坂コンプレックス屋上(地上45m)に、田園緑地があるって、知ってた?

しかも開業以来ずっと、この屋上庭園(通常非公開)で5月に、地域の人たちといっしょに田植えが行われてるというからびっくり。

5月25日、この屋上庭園の水田で、ことしで20回目の田植えが行われ、地域住民や森ビル担当者、そして今回は鳥取県産米「星空舞」を田植えするということで、鳥取県ブースも出現し、ゲームや地産品でにぎわった。

地域住民&ワーカーが空中の田んぼで田植え!

今回は、イベント当日は、六本木ヒルズ在住・近隣の家族をはじめ、六本木ヒルズのオフィス・店舗に勤めるワーカーたその家族、約150名が参加。

ぬかるんだ田んぼに素足で入り、素手で苗を植えつける伝統的な稲作を体験し、みんな泥んこ笑顔。

3割ちかい緑化で都市の温暖化を抑制

森ビルは、ビルの屋上を積極的に緑化を推進。

六本木ヒルズの29%を緑が占めている。緑化することで、都市の温暖化を抑制でき、六本木ヒルズ内は周辺と比較して表面温度が10~15度も低くなっている。

また、この屋上庭園は雨水を貯蔵タンクに貯めて再利用し、樹木や草花の給水に使われている。

空中緑地を下支えする技術がグリーンマスダンパー

ここで屋上に緑地庭園をつくるときに課題となるのが、土の重量。土はとても重いことから、地震のときに建物が激しく揺れるという課題があった。

そこで森ビルでは、屋上緑化の重さを逆手にとって揺れをコントロールする「グリーンマスダンパー構造」という新しい制振構造を開発し、ここ けやき坂コンプレックスに採用した。

屋上庭園と建物本体を積層ゴムで切り離し、地震エネルギーを吸収する制振ダンパーを設けることで、地震の揺れを屋上部分で集中的に吸収し建物本体の揺れや変形を30%抑制する。

このグリーンマスダンパー構造で、従来に比べ、屋上緑化しながら耐震性も向上させることができ、環境配慮型の制振構造として注目を集めている。

人々の絆を深め、街のコミュニティを形成する場に

森ビル グリーンマスダンパー構造が下支えする、空中の緑地。

四季折々の樹木と水田・菜園とが融合した六本木ヒルズの屋上庭園では、例年『田植え』『稲刈り』『もちつき』をはじめ、生物観察や草木を使ったワークショップなど、さまざまなコミュニティ活動の場として活用中。

また、これらのコミュニティ活動への参加者は、居住者をはじめ、六本木ヒルズ内店舗および施設の従業員、オフィステナントのワーカーにまで拡大し、これまでの累計参加者数は約2000名に。

「人々の絆を深め、街のコミュニティを形成する大切なイベントのひとつとなっている。すでに2世代で参加してる人もいて、参加者からは『毎年親子での参加を楽しみにしている』といった声もあります」(森ビル担当者)

―――みんなで植えた「星空舞」は、米の美味しさの指標「味度値」が高く、粒感があり跳ね返る食感は冷めても変わらずおいしいため、 お弁当やおにぎりにもぴったりというから、このあと秋の稲刈り・収穫がまた、楽しみ。